医師コラム

ヒアルロン酸のアレルギー?接触性皮膚炎?

先日、ヒアルロン酸注入をした患者様が、注入翌日に腫れを訴えて来院されました。

ヒアルロン酸注入は初めての方で、アトピー性皮膚炎の既往がありました。
花粉症やアトピー性皮膚炎がある方でも定期的にヒアルロン酸を注入しておられる方はいますので、特別気にしてはなかったです。

涙袋にヒアルロン酸を左右合わせて0.4CC注入しました。鈍針を使用し内出血もなく喜んで帰られたのですが、翌朝目が開かないくらい腫れている、昼ごろまで目の周りを冷やしたところ多少引いてきたが気になるのでみてほしいと。

拝見したところ、左右とも目の周りが全体的に水っぽく腫れて、赤みがありました。そこで、考えられる病態としては、ヒアルロン酸のアレルギーなのか、接触性皮膚炎なのか?どちらなのか?その他ありうるのか?と考えました。


まずは、接触性皮膚炎が考えられます。
ヒアルロン酸を注入する際に痛みを抑えるために、30分ほどペンレスという麻酔テープを貼ってもらっています。
また、注入時の痛みを防ぐためにヒアルロン酸の中に麻酔薬も入ったものを使用しました。これらの麻酔薬に対するアレルギー、また麻酔テープに含まれている糊の基剤に対するアレルギー?による接触性皮膚炎です。

次に、ヒアルロン酸に対するアレルギーです。私は、10数年美容外科で働いていますが、1,2例しか遭遇していません。
以前高頻度に使用していた、コラーゲンは時々アレルギーを起こすことがありましたので、注入前に必ず皮内テストを行いました。

アレルギーには、注入直後に症状がでる即時型アレルギーと、しばらくたってから、2-4週間後に、徐々に赤みなどの症状が出てくる遅延型アレルギーがあります。

もし、ヒアルロン酸のアレルギーだとすると、数か月は吸収されないためしばらく症状が続いてしまいます。


今回、ステロイドと抗アレルギー薬の内服と眼軟膏で様子を見ました。次の検診は、6日目でしたが、腫れはすっかり改善していました。
やはり、麻酔薬かテープののりに対する接触性皮膚炎であったと診断しました。

なるべく痛みを取り除こうとした行為が、思わぬ結果を招いてしまった事例でした。
今回注入部位が眼の周りだったために症状も強く出てしまったのだと思います。

今後、かぶれやすい肌質の方の注入方法について考え直すきっかけになりました。

ヒアルロン酸について詳しくはこちら

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現役の医師がこれまでに経験してきたことを踏まえて、これから美容整形を受けたいとお考えのみなさんに向けてのアドバイスや、最近の美容整形の流れについてなど、みなさんの参考になる話題を掲載していきます。
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